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【開催報告】11/23「ふくしま、ひとしずくの物語」福島公演

11月23日(日)、郡山も気持ちいい青空に恵まれたこの日、郡山駅前ビックアイ、市民交流プラザにて「ふくしま、ひとしずくの物語」福島公演を開催しました。

郡山駅前にあるビックアイは、地上24階、福島県内で最も高いビルです。23階には、最も地上から高いところにあるプラネタリウムがあり、ギネスに認定されています。このビルは、福島の先人による安積開拓のフロンティアスピリットを受け継いで建設されました。


開催にあたり、郡山市と郡山市教育委員会から後援をいただき、郡山市立美術館、市立図書館、文学の森や仮設住宅などにもチラシを案内。地元の福島民報社、福島民友社でも開催案内が掲載され、郡山市のFMココラジでは、ご厚意により、イベント案内で出演いたしました。FMラジオでは、タイトルにもなった「ふくしま、ひとしずくの物語」から「一滴が岩をも穿つ」という言葉の通り、何かが変わるその「ひとしずく」になれるようにと話し、東京公演でいただいた「ふくしまのみなさんへの励ましのメッセージ」を紹介いたしました。
みなさまのご厚意に感謝申し上げます。

開催前から、「ぜひ行きたい」「席空いてますか?」と問合せをいただきました。
その電話口から聞こえる福島の言葉は、とてもあたたかく、楽しみにしている様子が伝わっていました。

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開催当日、参加者が、普段から離れてゆっくり出来る空間にしたい、という運営スタッフの思いから会場を設え、レイアウトをしていきます。この日の花は、「再生へ祈りを込めて」という願いから、「鎮魂と再生」をテーマに地元花屋さんに見立てていただきました。

本1
東京公演でご協力いただいた松岡正剛著書『3.11を読む』などの本やイシス編集学校の冊子も並びます。
福島のみなさんも朝からお手伝いいただき、少しでもゆったりとした時間を過ごしていただこうとお茶やお菓子も用意しました。各地の御土産のお菓子も並びました。


◆ 13:30 開場

「楽しみにしていました」と、チラシを持って開場前からたくさんの方がいらしていただきました。
受付では、当初、用意していたプログラムが足りなくなるほどでした。
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当日は、6歳から102歳の方まで、福島市、郡山市、二本松市など福島県内各地から参加されました。大熊町、双葉町、富岡町、浪江町から現在も避難生活を続けている方いらっしゃいました。

◆ 14:00 開演

<代表・田母神顯二郎 挨拶>
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 「ふくしまに恩返しがしたい」。何度も福島へ通い続け、仮設住宅訪問などを通して、福島の人の温かさを感じ、さらに福島のことを考えていかなければならない、という思いが語られました。

続いて、当会の仮設訪問やチャリティコンサート活動などの映像も紹介しました。すると、「あの仮設住宅に住んでいます」「私のところにも来てくださいましたね」と声かけいただき、ここで再会することも出来ました。

<第一部 音楽コンサート ~ふくしまへ響く音楽~ >

バイオリニスト山本智美さん、口笛奏者・柴田晶子さん、ピアニスト松田光弘さんによるコンサートです。 
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福島県出身で埼玉在中の山本さん、縁があって郡山市に3年前から住んでいる柴田さん、埼玉からいらした松田さん。県外でも活躍されていますが、福島県内の仮設住宅でも演奏訪問活動をされています。
どの曲も情感に溢れ、普段我慢していたことを解き放ってくれる、そんな力がありました。
「はなみずき」の演奏が始まると、今は、原発事故の影響で立ち入ることが出来なくなった双葉町の自宅にあった“はなみずき”を思い出し、いろんな感情が込み上がってきて涙する方もいらっしゃいました。
「聴くことができて良かった」と話してました。

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口笛国際コンクールで2度優勝している口笛奏者・柴田晶子さんの口笛の音色は、時間や物理的距離を越えて私たちの心の奥深くに響き渡ります。
幼い頃の記憶が蘇ったり、遠く離れた故郷の風景が浮かんだり、記憶を手繰り寄せることが出来る音色です。
ピアニスト松田さんとも息が合った演奏で、「見上げてごらん夜の星を」でしっとり演奏したり、「A列車で行こう」でテンポよく演奏されました。会場では、思わずほろりと泣いたり、笑顔になったり、元気をいただける演奏でした。

笑顔
参加された方の表情も、いきいきと輝いていました。


<第二部 ~ふくしまのほんとうの空~>

<ふくしまへのメッセージ紹介 「智恵子抄」の朗読>
朗読2
代表・田母神から「智恵子抄」の「ほんとうの空」とは、誰にとってもかけがえのない心の故郷につながると思う。東京公演では、「ふくしまのことは決して他人事ではないんだ、かけがえのない故郷を何かしなくてはならない、という思いが共有された」ことも伝えられました。また、安達太良山に夕日が沈む美しい様子から、山上他界という先達の面影を感じる地でもあることが語られました。
「智恵子抄」の朗読は、「阿多多羅山あたたらやまの山の上に毎日出てゐる青い空が智恵子のほんとの空だといふ。」で有名な「あどけない話」から始まりました。この「ほんとうの空」は、何なのか、どうしたらもう一度「ほんとうの空」を見えるのか、私たちは考えていきたいと思います。
続いて、智恵子が実家で静養していた時に、訪れた光太郎と散策していた時に作られた「樹下の二人」です。そして、最後は、智恵子を亡くした後に作られ「人を信じることは人を救う」から始まる「あの頃」です。

メッセージ紹介と朗読は、当会メンバーで司会の森井一徳、米山拓矢からお届けしました。柔らかく優しい語り口に参加された方も熱心に耳に傾けてくださいました。

当日参加された方には、「ふくしまへおくる言葉」をお渡しし、「福島のことを考えてくれている人がいる」「忘れ去られていない」という声もいただきました。

<音楽コンサート~再生へ祈りを込めて~>

柴田さん会場
ピアニスト松田さんが会場のリクエストに応えます。会場からは「イマジン」「愛燦燦」「小さな恋のメロディ」など次々と声が上がり、松田さんは、即興ピアノで、会場の人々の願いと祈りをピアノの音色に奏でて演奏されました。その音は、繊細な感情を掬い上げる響きでした。

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そして、バイオリン山本さん、口笛柴田さん、ピアノ柴田さんで、東日本大震災の後、故郷や家族を失った方々、大切な土地を失った方々、避難生活や制限された生活が続く中で、福島、東北のみなさんの励ましになった「花は咲く」も演奏されました。手を合わせて聴く方、両手で目頭を押さえる方もいらして、優しい切なさに満ち溢れ、思いが交差する空間になっていきました。

参加者の様子1
お一人お一人が、いろんな思いを持って音楽を聴いてくださいました。

演奏終了時には、なりやまない拍手が会場に響き渡りました。
最後に、代表・田母神とメンバーでお見送りをしていると、「とても感動しました。」「思いがけなく素晴らしい会に参加できました」「次もぜひ期待しています」と言葉をいただきました。

こうして、福島の皆さんと一時を共有できたことは、私たちにとっても心あたたまる時間であり、「ほんとうの空」をとは何か、感じられた時間でもありました。

参加いただいた方からメッセ―ジもいただきました。

・来年も願う。来福。

                 会津若松市 男性 (避難前 大熊町)

・大変感動しました。本当にありがとうございました。

                               郡山市 男性

・何もかも大満足です。本当です。
 皆様の笑顔がとても良かったです。
 充実した内容でありがとうございました。 
 又、お願いいたします。

                               郡山市 女性

・以前聞いた柴田さんの口笛が聞けるということで参加させていただきました。
 期待通りとても素晴らしいコンサートで心があたたかくなりました。
 企画された皆様ありがとうございました。
 次の機会も楽しみにしています。
                               郡山市 女性

・郡山に住むようになって4か月。実は、私も原発事故により、双葉町から避難をし、
 生まれ故郷の山形、鶴岡市に3年半お世話になり、終の住居をここの地に決め、
 引っ越してきました。
 音楽も好きだし、詩も大好きで、本当に来てよかったと思いました。
 双葉の家に植えた“はなみずき”も誰も見る人がいなく。
 演奏を聴いて、悲しいやら、悔しいやら、ジーンとしてしまいました。
 松岡正剛さんのことはテレビで拝見して魅力的な方だと思ってましたが、ここで又、
 知ることが出来てうれしかったです。
 久しぶりに、至福の時間を頂きありがとうございました。
 これからも益々のご活躍を祈っております。

                        現在 郡山市 女性 (避難前 双葉町)

・3.11 東日本大震災と福島原発事故で被災し3年9カ月、富岡町夜の森の期間困難区域
 から郡山市内の仮設住宅に住んでいます。
 震災復興は名ばかりで何一つ進んでいない現状です。2020年東京オリンピック招致決定
 で人・物・金がすべて中央に吸い上げられ、災害公営住宅建設も大幅に遅れています。
 美しい、いわき七浜もまだ目で見ることは出来ないし、夜の森公園の桜も悲しんでいます。
 しかし、一歩一歩、人々は明日を信じ確実に前進もしています。
 今日の素晴らしい演奏会はもちろんですが、多くの皆様に支えられて生きている日々を大切
 にして前を見て歩いて行こうと思っています。
 
                    現在 郡山市 男性  (避難前 富岡町字夜の森)

この他、たくさんの言葉をいただきました。

当日は、福島民報、福島民友の取材もありました。
福島民報は翌日の全県版に掲載されました。ありがとうございました。
<福島民報のWebの記事はこちらです>

福島のみなさんの表情を拝見し、声を聴いて、今、福島が抱えていることは、とても大きく、先が見えないことかもしれないと思いましたが、これからも福島に向き合い続けていきたいと切に思いました。

ご協力、ご支援いただきましたみなさま、ご参加いただいたみなさま、
本当にありがとうございました。

心より感謝申し上げます。



レポート 鈴木康代

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プロフィール

事務局 

Author:事務局 
代表 田母神顯二郎
(明治大学文学部教授)

活動内容 (2013年~)
・「仮設住宅訪問活動(チャリティコンサート開催)」(富岡町、大熊町、浪江町など)
・「福島考え巡る1日企画実施(震災語り部と被災地ツアー)」
・「東京と福島を繋ぐ復興イベント開催」(明治大学、豪徳寺開催)
・「福島新発見(福島の知宝の掘り起し)」など

メンバー 8名
事務局 鈴木
所在地 福島県県郡山市

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